プロジェクト学習は目的意識が肝
首藤 久義さんより、目的を意識し、目的を目指して活動し、目的を達成して終わる。
プロジェクト学習の肝は、子ども達が本気でやりたくなるような目的を探し出すことにつきる。
探し出すのは、教師であろうが子どもであろうが保護者であろうが誰でもいい。どこにアイデアが転がっているかは分からない。
子ども達は、目的を達成しようとする中で、今の状況を振り返る。これがまさにreflectionといえる。
プロジェクト学習は、実はとてもシンプルなのだ。
僕らの評価の観点は、その子が満足しているかどうか。子どもを見ながら、適宜、軌道修正すればいい。
評価観点を明らかにして行うルーブリック評価とは似ても似つかない。
とはいえ、ルーブリックが悪いわけでもない。それは、教師側の目的による。例えば、進級試験や受験などが目的であれば、評価観点は明らかにして公平を期すほうがよいだろう。日常の活動では、ルーブリックを使わないといけないような場面は少ない。もっとおおらかで良い。
プロジェクト学習を提唱した、キルパトリックの言葉を借りるなら、「多くの人々が教育を受けてしかもなお、書物を嫌い、考えることを嫌っているではないか」
ボクにこの言葉が突き刺さる。
プロジェクト学習は、知識・理解を否定するものでは全くない。むしろ、知識・理解を獲得することは、自立的な学び手には必要不可欠な要素だ。どのような文脈の中で、知識・理解を得ていくかが大事なのだと思う。プロジェクトの場面である時もあれば、受験というプロジェクトの場面でもある。
寺子屋の次のプロジェクトは、「好きなことのお裾分け」
自分が知っていること、ハマっていること、好きなことを、文章にして本にしていく。
エッセイストごっこだ。
ごっこ遊びでいい。これを本物志向にするとプロジェクトは見栄え主義になってしまう。
坊主先生、退職してUターン
教員を退職し、Uターンして僧侶になりました。教員は退職し、夢である自分の学校づくりの一歩を寺子屋で始めています。
今の活動は、こちらのブログに移行しています。プロジェクト学習についても書いています。
うちのお寺のホームページはこちらです
朝の会は輪になろう
教室が居心地のいい家族のようなってほしい
本気で僕が願っていること。でも、祈るだけではそうはならないことは分かっている。
そういえば、昔、受験前に絵馬を12個も書いたけど、志望校に落ちたことがある。それと同じだ。
ドラゴンボールは願いを叶えるけど、見つけるの大変そうなので、やめとこうと思う。
願っても叶わないから、なんかしよかなぁって思いたった日は7年前。学校で毎日あること・・・
そう、それは朝の会。
朝ってなかなか大人も子どもも辛いもの。朝、家で叱られてきた子はちょっとブルーだし、寝坊して朝ごはん食べない子だっているし、朝からスーパーハッピーな子だっている。
僕だって、毎朝のホットドッグにカラシをつけすぎて悶絶する日があるんだ。カラシはいつになったら優しくなるのかなぁ
だから、教室に入ったらなんかほっこりしてスタートしたいと思う。それがうちの朝の会の時間。
やっていることは・・・
輪になって座る。 それが全て
「やらなきゃいけないことをやるだけさ、だからうまくいくんだよ。」by ボブ ディラン
輪になって座って朝の会をする。岩瀬直樹さんのサークルタイムっていう実践も参考にしてきた
うちの朝の会はこんな感じです。
1 おはようございます
2 隣のひとは元気?
3 お知らせある人いる?
4 クラス会議
5 朝遊び
6 読み聞かせ
7. 今日の予定
ふしぎなもので、輪になって座るだけで、なんか雰囲気が温かくなる。
輪になるとみんなの顔が見える。僕らはきちんと顔を合わせたいんだ。
目ヤニだって気付いてあげられる。
朝の会は、それぞれの朝の感情を持ちよる場。今風にいうとチェックインの時間だ。どんな感情をもってきても、それを受け取りたいと思う。
輪になることは他者をケアすること。僕はそれぐらい輪になることにこだわっている。
もちろん輪になり始めた当初は、肩が当たった云々で喧嘩にもなるけど、そのうち収まる。気長にまとう。気にしなくて大丈夫。
そういう喧嘩はクラスがつながり始めるとなくなっていく。
輪になってあささつをしたら健康観察。僕が好きなのは隣の人は元気?って聴き合う時間。
こんなおっさん髭教師にも、「先生、元気?」って聞いてくれる。
「朝から、妻に叱られてさ・・・」って愚痴を言うこともできる。ありがとう、みんな!だから、一日頑張れるのだ。
こうやってちょっとずつ心を整えていく。
そんな朝の時間
クラス会議で僕らは育った 〜お悩み相談〜
一人一人が誰かを支えたり、支えられたりして生きていることを実感してほしい。
僕が本気で子ども達、いや社会に対して思っていること。
クラス会議の後半部分。「お悩み相談」の時間について今日は書いてみようと思う。
「お悩み相談」とは、例えば、「朝起きられないんだけど、どうしたらいいですか?」と一人の子が相談すると、みんなが順番に、解決策を出してくれるというもの。もちろん、パスOK
「お母さんに水をかけてもらったら」というおふざけから、「携帯のアラームをめっちゃ遠くに置く」という建設的な意見とかいろいろでる。
大事なのはおふざけOK!!おふざけから生まれるものもあるはず。いや、単純に面白い。
このおふざけすごーーーく大事です。ここで、「ふざけちゃだめだー!真面目に考えなさい!」なんて毎朝言っちゃうと、リラックスできなくなる。毎朝、真面目を求められても・・・ちょっと苦しい。
やっているうちに、だんだん真剣になってくるはず・・・
そして、最後に提案者が、解決策を選んで終了。
これ、解決するのが目標ではない。みんなで、一緒に人のことに思いを馳せること。そんなことが大事なんやと僕は思う。これって生き方に繋ると感じている。
「パスできるからほっとする。」
「仲良くなっていく感じがするよ。」
「みんなが自分のことを考えてくれてうれしい。」
「大切な時間かなぁ。仲良くなるから」
クラス会議は僕たちにとって大切な時間だ。やる時間が無いときに、「えーーー」っていう嬉しい悲鳴も上がったりもする。
今年はこんな感じでやっているけど、ただ輪になって毎朝ゲームだけしていた一年間もあるし、順番にテーマを決めてお喋りしていた一年間もある。いろいろ、クラスに合わせてカスタムしていくといい。
こうじゃなきゃいけないってことは、ない。
まずは、輪になって座るところからでいいかもしれない。
それぐらい、柔軟に考えて初めてみるのがオススメだ。
クラス会議についてはこの本を一番大切にしてきた。今も売ってるのかなぁ・・・
クラス会議で子どもが変わる―アドラー心理学でポジティブ学級づくり
- 作者: ジェーンネルセン,H.ステファングレン,リンロット,諸富祥彦,Jane Nelsen,H.Stephen Glenn,Lynn Lott,会沢信彦
- 出版社/メーカー: コスモスライブラリー
- 発売日: 2000/10/01
- メディア: 単行本
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クラス会議後に、簡単なゲームをしてから一日をスタート。この簡単なゲーム(アイスブレイク)も僕たちにとって、すごい楽しみな時間。
アイスブレイクについてはまた今度。
クラス会議で僕らは育った 〜ありがとうみつけ編〜
一人一人が誰かを支えたり、支えられたりして生きていることを実感してほしい。
僕が子ども達に本気で思っていることです。格好よく言ったけど、中年真っ最中の僕も、いっぱい失敗してみんなに支えられ、時には支え生きている。
さっき、寝ぼけたままトイレに行こうとして、妻に躓きこけたんだ。おかげで目が覚めました。妻に支えられてんなぁ僕は・・・ まだ、痛いおでこ。
それはさておき、朝の会でしているクラス会議。クラス会議に出会って早7年目。毎朝してるので1000回以上はしてるでしょうか。ジムにもこれぐらい行けたらいいのに。このお腹どうにかしたい。
1000回もトマトプリッツを食べると飽きますが、クラス会議は飽きなかったです。むしろ、大好きな朝の時間。
クラス会議は、輪になって座り、隣の人のありがとうポイントを順番に言う「ありがとう見つけ」と、クラスの誰かの「お悩み相談会」の二部構成になっているのが基本スタイル。詳しくは、森重裕二さんのこちらを参考に。
森重さんは教員を退職したけど、家業をしながらこんな活動もしている。それが、またリスペクトする一つ。
子どもたちにライジャケを! – 思いはただ1つ・・・子どもたちの命を守ること。
まずは、クラス会議の大事な要素の「ありがとう見つけ」から。
単純に隣の人のありがとうポイントを言うだけ。
「一緒に遊んでくれてありがとう。」
「昨日、給食運んでくれてありがとう。」
こんな言葉をうちの子達は言う。
中には「生きていてくれて、ありがとう」「生まれてきてくれてありがとう」なんていう、哲学者も表れる。言われたほうもまんざらでもない。素敵やん。
この時間、すごい好き。いや、好きになった。
最初は、このありがとう見つけはしていなかった。朝から「ありがとう」ってなんだかなぁって。でも、何のためにするかを考えていく中でなじんでいったんだ。
僕らは、人のよくないといころを見つけるのは得意にできている。僕の妻は、僕のよくないところを100個も言える。
でも、僕らは同時に、人のいいところだって見つけられる。それには、いいところを見ようとする心構えが必要なんだ。
ありがとう見つけは、その心構えそのものなんだと僕は思う。話を戻そう。
これ、最初はなかなか言えない。
「パスしてもええよ。少しずつ言えるようになるし。あせんない、あせんない。毎日あるんやから」と僕は言う。
だって毎日あるんだから。クラスの最初はそれでよくて、少しずつ成長していく。
輪になって座る隣は、毎日ペアが変わる。僕はカードを使っている。これは仲間のアオちゃんの実践をもらいしたもの。
アオちゃんの、ブログはとても面白い。毎日書いている。それもすごい。友達なので紹介しておこう。紹介料は彼からいただく。
SENSEI×DESIGN-LABO | 未来を担う子どもたちが生き生きとする社会を創る!
ペアは、IKEAのカードを一人一枚ずつとって同じカードの子同士がペアになる。便利ーー!しかも、女子は「かわいいこのカード!」と言ってきゃっきゃする 笑
仲間のひわちゃんは、洗濯ばさみを使ってるみたい。
洗濯ばさみでペアを作るってファンキーだ。洗濯ばさみも喜んでいます。
大学生の頃、朝起きてベランダに出ると、もの干竿に、洗濯ばさみで魚が吊るされていた。釣りに行った先輩からのお裾分けだった。洗濯ばさみもいろんな活用があるみたいだ。美味しくいただきました。ありがとう、先輩!
それはさておき、ペアが毎日変わるから、毎日ありがとうを言う相手が変わる。誰かのありがとうを見つけるのがうまくなっていく。相手の良さを見つけることを毎日やるから、ありがとうが日常に溢れる。はず・・・
必ず全員できるようになる。多分・・・まぁ、できなくてもその場にいれば良しとしよう。だいたいでいいのだ。完璧なんてあると思うから、しんどくなる。
「どうして君はありがとうを見つけられないんだ-!」って誰も言われたくないし。そんな、ありがとう・・・重い・・・ ジムに行かなきゃ。
僕にだって言ってくれる。「いつも変顔してくれてありがとう。」
一回もしていません。誰と間違っているんだろう。
ありがとうって普通に言うことって意外と難しい。「有り難し」素敵な言葉です。「ありがとう見つけ」を通して、僕自身も成長させてもらっているんだ。
「ありがとう見つけ」の後は、子ども達のお悩み相談会をする。それは、次の記事に
全ての人生に、自分らしさを!