坊主先生は嘘つかない

子どもも教師も夢中になる学級経営や、校内研修の解説書です。僕の全てを伝えます。誰でもできます。

生き生き学級経営のはじまりのはじまり

はじめに

 

「あなたの授業はうまいけどいい授業ではない。」

「誰に向かって授業してるの?」

「子ども主体っぽい授業。」

 

こんなに努力してるのに、なんでこんなこと言われるんだろう。

 

僕が目指していたのは、板書もうまく、発問もうまく、話し合いがガンガンできるカリスマ教師。

 

自信を深めていた時期に、さっきの言葉をたて続けに言われた日のことをよく覚えている。

悔しい僕は、「あいつらは分かっていない。」ってぶつぶつ言いながら、大好きなマミーを一気飲みした。

 

でも、本当は気付いていたんだ。周りの評価を気にして、周りから称賛されることを期待して、教壇に立っていたことを。

 

肝心な子どもとは、心で繋がっていなかったことを僕は知っていた。僕が期待していることを、子どもは読みながら生活していたんだ。

 

「僕は、何のために先生になったんだろう。」

 

反省した僕は、彼女(今の奥さん)に電話して、相談した。

 

「そんなもん、自分で考え。何時やと思ってんの??」とブチ切れられた。彼女はいつも塩対応なんだ。ツンデレに男はやられるものだ。

 

(予断だが今でも彼女はツンデレがすごい。人はそんなに変わらないことを証明してくれている。)

 

自分で考えなきゃいけなくなった僕は、Facebookで子どもとワクワクしていることをしていることを発信していた、大学の同級生に連絡した。

 

「仲間にいれてほしい。」

 

快諾してくれた彼とその仲間にすぐ会うことになった。

 

「みんなで本読むから、この本読んできてね。」

 

指定されたのが、クラス会議の本だった。

 

クラス会議で子どもが変わる―アドラー心理学でポジティブ学級づくり

クラス会議で子どもが変わる―アドラー心理学でポジティブ学級づくり

  • 作者: ジェーンネルセン,H.ステファングレン,リンロット,諸富祥彦,Jane Nelsen,H.Stephen Glenn,Lynn Lott,会沢信彦
  • 出版社/メーカー: コスモスライブラリー
  • 発売日: 2000/10/01
  • メディア: 単行本
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クラス会議で学級は変わる!

クラス会議で学級は変わる!

 

 

読みながら子どもが自分たちの力を信じ、クラスを作っていくその描写に圧倒された。

 

(僕は子どもを教える、導く対象だって思っていたから)

 

その時に出会った新たな仲間とは、それから切磋琢磨していくことになる。

 

これがきっかけで、多くの人や実践に出会うようになった。

 

例えば、岩瀬直樹さん

はじめて彼の講座に行った時は、違和感しかなくて、振り返りに違和感がありますって書いた。

 

「そうなんだね。最初はそうかもしれない」と優しく言われたことを今も覚えている。

彼の実践に触れなければ今の自分はいない。

 

吉田新一郎さん社会科ワークショップの仲間たち。ワークショップを知ったのも、彼らとの出会いだ。いつも刺激的なみんなとの出会いは大きい。

 

森重裕二さん。まだお会いしたことないけど、ネット上でつながり、その生き方に影響を受けている。

 

首藤久義さん。プロジェクト学習について学ばさせていただいている。歳の離れた友人でもある。

 

そして、僕の近くの同僚のみんなだ。尖りすぎた杭だったボクが、楽しく仕事ができるようになったのは、厳しくも支えてくれた人たちがいたからだ。

 

振りかえると、ボクの実践はパッチワークだ。いろんな先生たちから学び、子どもたちから学び、そして今がある。末っ子らしい実践群だと思う。

甘えるのは得意なんだ。

 

今では娘に頭を撫でてもらっているぐらいに。

 

そんなボクも今では、

 

「一人一人が生き生きする学級を作りたい」って言えるようになったけど

 

「自分の軸って何?」

「人の真似ばかりでいいの?」

って悩んだ日は一度や二度ではない。三度でもない。

 

朝起きてすぐに、「主体的ってなんだろう?」とか教育的な疑問が湧いてきて、いつも頭の中が忙しかったんだから。

 

時間をかけてじっくりじっくり自分に馴染んできたことがある。そんな11年間の実践を残していこうと思う。

 

自分のために。

 

それが、誰かに届いてくれると嬉しいと思う。

 

「先生はさ、うちらの弱い土台。私らで土台も固めたし、いろんなもの乗っけたよ。ありがとう。」

 

こんな言葉と共に、巣立っていく子どもたち。カリスマ教師を目指していたら、きっと見れなかった世界だ。

 

今日も楽しく子どもと過ごしているんだ。